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アコウ釣りチャレンジ

アコウの特徴


 アコウは見た目はガシラ(カサゴ)と少し似ているため、ガシラと間違えることがあります。 小さなアコウの場合、なんだガシラかと思われたり、逆に防波堤から大型のガシラを釣った場合、 アコウが釣れたと大騒ぎする人がいます。アコウとガシラはヒレの形が違います。 アコウのヒレは胸びれや尾びれが丸みを帯びていますが、ガシラの胸びれや尾びれは尖っていますから一目瞭然です。

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私が釣ったアコウ(キジハタ)です。
これは27センチぐらいで、防波堤からだと大きめのサイズです。
赤い魚体に丸い斑点模様、丸みを帯びたヒレが特徴です。


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釣ったばかりのアコウ(キジハタ)です。活きているアコウには、ハタ科の魚独特の縞模様があり、赤みを帯びた魚体にオレンジの斑点があります。 下顎が突き出た印象があるのもアコウの特徴です。
この個体は20センチぐらいです。針を飲んでいる場合は持ち帰りますが、通常はリリースサイズです。


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アコウ(キジハタ)は、死ぬと縞模様が薄くなり、オレンジの斑点が浮き上がってきます。
ヒレは丸みを帯びています。


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これはガシラ(カサゴ)です。20センチまでの小型なら、防波堤から簡単に釣れます。
アコウ、アコウと大騒ぎしますが、実は、ガシラのほうが美味しいです。






防波堤からのアコウ釣り


 アコウ(キジハタ)釣りは船で沖に出て釣るのが一般的で、京都府の日本海側沖合いが優良な釣り場です。 太平洋側や瀬戸内海では実績低いと思いますが、日本海は違います。船に乗らなくても、 港の防波堤や、地続きの海釣り公園で、アコウが釣れるのです。というわけで、 ここでは、京都府から兵庫県の日本海側で行われている、港の防波堤からのアコウ釣りを紹介します。 沖合いでは50cm程の大型が釣れることがありますが、防波堤からでも30cmぐらいの中型までなら釣れる可能性があります。 上の写真のアコウ(27cm)は地続きの防波堤から釣ったものです。

  防波堤からアコウを狙うとなると、夜釣りが断然有利です。日中は朝夕のまづめ時の一瞬以外は、ほとんど釣れないでしょう。 最適な季節は夏です。アコウは夏場に接岸するようで、防波堤から狙うとなると、6月から8月が最盛期となります。

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夜釣りだと、比較的簡単に釣れます。






アコウの釣れる場所


 私が、アコウを釣ったのは、チヌ釣りの外道として釣ったのが初めてです。大きなガシラが釣れたと思って、よく見ると斑点状の模様があり、 「これはなんという魚かな。これがアコウかな?」と思ったのを覚えています。その後、同じ場所で、同じぐらいのサイズのアコウを数度釣り、 ここはアコウの住処になっている場所だと確信しました。 アコウなどの根魚は、居付く場所が決まっているようで、一度釣ってしまっても、しばらく経つと、同じ場所で同じぐらいのサイズの魚が釣れます。 このように、自分だけの場所を知っているのは、優越感があります。

  アコウ釣りの面白さは場所探しの面白さだと思います。 このページでアコウの釣り場所を紹介していますが、ピンポイントの場所は自分で探し歩くのが面白いでしょう。 アコウが釣れる場所は決まっていますから、自分だけの秘密の場所を探してください。

  一般的に、防波堤の周辺には捨石が入っています。以下の写真のように、捨石には隙間があり、そこがアコウやガシラといった根魚の住処となっています。

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波止周りの捨石



  また、下写真のように、海面下が空洞になっている防波堤も有望なポイントです。

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ここは兵庫県の日本海側にある香住東港の防波堤です。 但州丸という水産高校の実習船が係留されている防波堤なのですが、立ち入り禁止となってしまいました。 アコウの超有望ポイントだったのですが。






一番の実績場は伊根ですが・・・


 釣り場としては、もっとも有力なのは京都府の日本海側、伊根です。 もっとも良く釣れるのは、観光船の発着場の駐車場でしょう。昼間は観光船の営業妨害となりますから、 夜間のみの釣りとなります。ここは足元は浅いので大型は期待薄ですが、20mほど先に急な落ち込みがあり、そこから先が大型のポイント となっています。大型といっても35cm程度ですが、岸からそのサイズが釣れれば御の字でしょう。

  他には、平田の埋立地。ここは足元からドン深です。 足元の捨石周りに付いているようで、 足元が好ポイントです。 ただし、ここはガードレールや柵が一切無いので、 海に転落する危険があり、特に夜間は注意が必要です。ライフジャケットが必須でしょう。

  漁協前の岸壁も釣れますね。

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平田の埋立地です。奥に見えるのは伊根の舟屋

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浮き桟橋は立ち入り禁止となっています。

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漁協前の岸壁です。

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湾内は観光船が就航しています。

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観光船はここから発着するのですが、

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観光船の発着場がアコウ釣りの絶好ポイント

 伊根はとにかく良くつれるのですが、遠いのでどうしても足が遠のいてしまいます。 他には、・・・宮津の田井一文字ですかね。






宮津・田井一文字


 宮津の田井一文字を紹介します。渡船業者は田井観光フィッシングです。渡船代は\2,500です。 夜釣りにも対応できますので、アコウ狙いの方は夜釣りがよいでしょう。田井観光フィッシングのホームページで過去の釣果を確認できます。 一文字の夜釣りで夏場に30cmオーバーが釣れることがありますから期待できます。(昼間は絶対釣れません。朝一番なら20センチ程度のリリースサイズが釣れることはありますが。) ただし、半夜釣りというのはできません。「とおし」になります。つまり、夕方5時か6時頃一文字に渡してもらい、翌朝の夜明け以降の指定時刻にむかえに来てもらうというスタイルです。 皆、テント持参で来られています。ここに渡るならそれなりの意気込みが必要です。 詳しくは、上記渡船業者さんに問い合わせてみてください。

  下に田井一文字の写真を掲載します。日中は釣り客で賑わう一文字ですが、夜となると、釣り客はまばらです。 一文字の両端が、マダイやキス狙いの投げ釣りのポイントとなっていますので、両端は投げ釣りの人に場所を譲り、アコウ狙いは、一文字の中央付近で釣ります。 場所を譲るというよりも、一文字の両端はアコウは期待薄です。中央付近が好ポイントとなっています。 というのも、この一文字は、両端以外が海面下で空洞になっており、 その空洞がアコウの格好の住処となっています。従って、防波堤の壁際ギリギリを狙うのが、好釣果を上げる秘訣です。 ちなみに、マダイは梅雨明け以降に夜釣りの投げ釣りで、驚愕の80cmオーバーが釣れることがあります。田井観光フィッシングのホームページで過去の釣果を確認してみてください。 (釣堀の釣果と混同しないように。)

水深は湾の内向きで8m、外向きで12mぐらいです。

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一文字の先端

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写真右手が湾の内側で、水深約8m
左手が湾の外側で、水深約12m


 ここのポイントは、防波堤の真下です。冷凍のイワシを使用するのが一番釣果が上がると思うのですが、 活きアジを使用する人も見かけます。サビキ仕掛けが有れば、アジは現地調達できます。しかし、活きアジでは管理が大変だし、 仕掛けが絡まったりするリスクも高いので、特に夜釣りでは手返しを考えて冷凍イワシがいいと思います。  






但馬海岸・竹野


 兵庫県の日本海側、但馬海岸は地磯が豊富で、磯の切れ間に砂浜があります。従って、砂浜といえども地磯の影響が大きく、大きなテトラ積みがあれば、アコウの期待が持てます。 ここ竹野の波止は、但馬海岸でもアコウの濃い場所です。波止の根元のテトラポッドからの竿出しが有利です。写真のように、テトラがたくさん積まれており、全体がアコウの住処といったところです。 水深は浅く、3m~4mといったところです。



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竹野の波止先端
波止周辺の捨て石がアコウのポイント
左の山は、猫崎半島


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竹野の波止の根元のテトラ


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猫崎半島西側に広がる地磯
写真の一番奥まで徒歩で釣行できる。
アイナメの投げ釣りポイントとして知られるが、夏場はアコウが良くつれる。






但馬海岸・浜坂漁港


 上記の竹野と並んで、但馬海岸でアコウが良く釣れる場所が浜坂漁港です。ここも竹野と同じく海水浴場に隣接した場所です。 漁港の内向きは砂底で、期待薄ですが、 西側の赤灯波止の外向きはシモリが多数あり、アコウの有名ポイントです。 波止の外側は大型のテトラが入っていますが、比較的なだらかに積み重ねられているので、足場は良いほうです。 波止の内側は大きな捨石が入っており、ここもアコウの住処となっています。 ただし捨石部分の先は砂底になっており、あまり遠投してもアコウは期待薄です。 浅いので見逃しがちですが、波止の根元にある小規模な地磯も暗くなってからは優良なアコウポイントです。

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浜坂港の西側の赤灯波止
浜坂漁港では一番人気のポイントです。


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赤灯波止の内側には大きな捨石が入っています。


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赤灯波止の根元は地磯になっています。
浅場なので見逃しがちですが、夜は結構釣れるのです。


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赤灯波止の外側は大型のテトラが入っています。
テトラの隙間もポイントになります。


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外側が優良なポイントです。足場は比較的良く10名程度は釣りができます。







アコウ釣りの仕掛け


 例えば、防波堤の壁際を狙いたい場合は、短竿にスピニングリールを組み合わせた仕掛けが有効です。竿の先端にケミホタルを取り付け、竿先の目印にします。



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 一方、テトラポッドの積まれた防波堤から竿を出す場合は、長尺ののべ竿を利用した釣りになります。 竿がポイントとなりますが、7m前後でアコウの引きに耐えられるものですと、ヘラブナ用の竿が流用できます。 竿の先端にケミホタルを取り付け、竿の先端の目印にします。



  アコウは根魚ですから、餌をくわえるとすぐに穴に潜り込もうとしますから、根掛かりが多発します。 そこで、仕掛けに気をつけなければならないのは、なるべくシンプルな仕掛けにすることです。 天秤などは使用せず、針は一本のみで、ハリスも短めにすることです。 また、喰いが立った時に根掛かりして、ハリスを切ってしまい、 仕掛けを作り直していると折角のチャンスタイムを無駄にすることになります。 予め、針をハリスに結んでおき、これをスナップサルカンに結んで数本準備しておくのが良いでしょう。 仕掛けの交換がスムーズに出来るので、釣果が上がります。

  針はチヌ針でよいと思うのですが、根魚用の針も市販されていますから、それらを使うのも良いでしょう。 一般的に、根魚用の針は赤く塗装されています。赤は海中の根の中では一番見えにくい色なんだそうです。 理由は良く分からないのですが、赤い針は根の中では黒く見えるそうです。では、黒い針でいいんじゃないのか?






餌はイワシが最高


 餌は、ヒラメやマゴチ用の餌として釣具屋さんで売られている、冷凍のイワシを使用します。 冷凍イワシを使用する場合、針はトリプルフックを孫針に使用した二本針仕掛けとするのが 基本ですが、経験上、二本針にしても、上の針に掛かるケースがほとんどのため、 あえて孫針は使用しません。

  撒き餌は必要無いかもしれませんが、有ったほうが良く釣れる気がするので、一応撒いておきます。 冷凍イワシを刺し餌にするので、イワシ繋がりで、マルキューのイワシパワーとオキアミをブレンドしたものを使用します。 イワシパワーを使用するのは、駄洒落ではなく、以下のような理由があります。

 マルキューのイワシパワーは、本来は養殖いけすの近くでチヌを釣る場合の撒き餌です。 養殖いけすでは、イワシを原料とした加工餌が使用されていますから、 養殖いけすの近くにいるチヌは、イワシの加工品を餌として捕食していると思われます。 イワシパワーには、イワシ粉末が原料に含まれており、イワシの臭いを発します。 そのため、イワシパワーは養殖いけすの近くでチヌを釣る場合の必須餌となっているのです。

  今回は、冷凍イワシを刺し餌に使用しますから、イワシパワーのイワシの臭いでアコウを誘き寄せる作戦です。

  冷凍イワシではなくて、活きアジを使ったほうがいいと思う方もいるでしょう。 一般論として、ヒラメやマゴチを狙った、活きアジを使用した場合の飲ませ釣りの醍醐味は、アジが逃げ惑うときに竿先が震える前あたりにあります。 前あたりから暫らく待って大きく竿が引きこまれる本あたり、更に、ヒラメなら40秒ぐらい待って、十分に飲み込ませてから 合わせるとういう一連の動作に、どきどきワクワクするのが面白いところです。

  アコウの場合はそんなに待っていたら、根に入られて終わりです。あたったら即合わせが基本です。ですから、一般的な ヒラメやマゴチを釣るような感覚での、飲ませ釣りの面白さは味わえないわけです。 活きアジを使っても、冷凍イワシを使っても、釣りの面白さは変わらない。活きアジが動き回る分、仕掛けのトラブルも多発し、 夜だと絡まった仕掛けを解いている間に、時合いが終わってしまいます。 ですから、冷凍イワシを推奨します。






アコウの釣り方


 

 撒き餌を少量まき、仕掛けを投入します。着底と同時に喰ってくることがありますから、油断は出来ません。 着底したら、50センチほど引き上げて落とすを数度繰り返します。これが良い誘いとなるようで、 餌を動かした瞬間に喰ってくることがほとんどです。

  50センチほど引き上げたときに、竿に重みを感じたら、合わせを入れて一気に引き上げます。アコウの口は軟らかいので、 簡単に針掛かりします。大きなあわせは必要ありません。 合わせてからの引き上げに遅れてしまうと、根に潜られるので取り込むことは出来ません。逆に底さえ切ってしまえば、 ほとんど抵抗なくあがってきます。根に潜られることを防止するには、合わせで躊躇しないことです。イワシを餌にしていますから、 針掛かり優先で対応するならば、完全に飲み込ませる必要があるので、 あたりがあっても合わせずに、竿先を送り込んで、暫らく時間をかけるのが一般的です。 いわゆる飲ませ釣りでは、あたりから合わせまで30秒~60秒待つのが普通です。 しかし、防波堤からのアコウ釣りでは、そのような対応では根に潜られてしまうのがおちです。あたりかなぁと思ったら、躊躇せずに合わせます。 ここで、餌の喰いこみが悪い場合は針掛かりしませんが、根に潜られて、仕掛けを切ってしまうよりはましです。 一度針掛かりして、根に潜った魚は、当分釣れないと思いますが、早合わせで針に掛からなかった魚は、次の投入で釣れる可能性が高いです。

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これは23センチぐらいです。

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これは赤ちゃんサイズです。海に返してあげましょう。

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竹野の釣果です。
陸からこのサイズがつれれば満足です。






アコウを食べてみた。


 

 アコウはとても美味しいとのことですが、港内で釣れる個体は不味いです。地磯で釣れるものはましですが、 美味しいアコウを釣りたいなら船釣りということになります。 特に防波堤から釣れる20センチ以下のものは不味いです。 20センチ以下の小さな魚はリリースしましょう。大きくても痩せているものもリリースです。食べても不味いですよ。

  アコウは根魚ですから、まずは煮付けが基本でしょう。

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  うろこ、えらと内臓をとり

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アコウのようでアコウでない・・


 アコウの体の模様は個体ごとに微妙に異なっています。私が釣った魚の中でも、ちょっと変わった個体を紹介します。

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この個体にはオレンジ色の斑点がありません。別の種類でしょうか?マハタとも違う感じですし、分かりません。 歯がやたら鋭いんですよ。

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この個体はオレンジの斑点はあるのですが、体の色が白いのと、褐色の縞模様の形が通常のアコウとは違う感じです。 アオハタの幼魚のようです。






魚拓の採り方を紹介します。


 デジカメ写真からこのような魚拓風画像を作ることができます。 ふじまろイメージはもともと画像処理を紹介するウェブサイトです。 釣りと画像処理を融合させるとこのような魚拓を作ることができます。

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パソコンで作るチヌ(黒鯛)の魚拓